PMS（月経前症候群）は、生理が始まる3〜10日前から起こる心身の不調のことを指します。

女性の約8割が何かしらの不調を感じると言われており、症状の種類も強さも人によって大きく異なります。

代表的な身体症状

　・下腹部の張り・痛み

　・腰痛・背中の重だるさ

　・むくみ（特に足首）

　・頭痛・片頭痛

　・肩こり・首こり

　・眠気・倦怠感

　・便秘・下痢

　・胸の張り・痛み

　・冷え・のぼせ

精神面の症状

　・イライラしやすい

　・気持ちが落ち込みやすい

　・涙もろくなる

　・集中力が落ちる

　・不安感

　・いつもの自分じゃないような感覚

これらの症状が月経開始とともに和らぐのが特徴で、日常生活に支障が出る場合はPMDD（月経前不快気分障害）と呼ばれることもあります。

PMSは医学的にも「はっきりと原因を一つに特定できない」とされています。

しかし、ホルモンバランスの変化＋自律神経の乱れ＋生活習慣＋ストレスが複合して起こると考えられています。

① 女性ホルモン（エストロゲン・プロゲステロン）の急変動

生理前になると、

　・エストロゲン（心身を安定させる）

　・プロゲステロン（体に水分をため込む）
　　　　　　　この2つのホルモンが大きく変動します。

これが脳のホルモン調節部位や自律神経に影響し、情緒不安定・むくみ・頭痛などにつながります。

② 自律神経の乱れ

女性ホルモンと自律神経は脳で密接に関係しています。

生理前のホルモン変化によって自律神経が乱れ、

　・冷え

　・睡眠の質の低下

　・血流の悪化

　・筋肉の緊張
　　　　　が起こり、身体症状の悪化につながります。

③ ストレス・疲労

ストレスが溜まると、自律神経が頑張り続けて交感神経が優位になり、

「気分の落ち込み・イライラ・倦怠感」が強く出ます。

④ 食生活の偏り・冷え・運動不足

体が冷えて血流が悪いと症状は重くなりやすく、運動不足も気分の落ち込みにつながります。

──ホルモン・自律神経・血流にアプローチ──

鍼灸は、PMSに対して非常に相性が良い施術です。

経絡治療をしている勉さんの院なら、根本改善に近い形で症状を整えられます。

① 自律神経を整えて情緒不安定を軽減

鍼灸刺激は、交感神経（興奮）と副交感神経（リラックス）のバランスを調整します。

これにより、

　・イライラ

　・不安

　・気持ちの落ち込み

　・眠りの浅さ

こういった精神症状が自然と落ち着きやすくなります。

② 血流改善で腰痛・むくみ・冷えに効く

鍼灸によって血流が良くなると、

　・下腹部痛

　・腰痛

　・冷え

　・むくみ
　　　などの身体症状が緩和されます。

生理前に足のむくみが強い方は、多くが“下半身の血流低下＋ホルモン影響”のダブルパンチ。

鍼灸で骨盤まわりの血流を良くすると、症状が軽くなる方が非常に多いです。

③ 内臓の働きを整え、便秘・食欲変動にもアプローチ

東洋医学では、PMSの根底に「肝（気の巡り）」「脾（胃腸）」「腎（女性ホルモン）」のバランスが関わると考えます。

特に経絡治療では、お腹・背中・足のツボを使って内臓機能の調整をするため、

　・便秘

　・食欲の変化

　・だるさ
　　　　も改善しやすいです。

④ 月経リズムが整い、症状そのものが軽くなる

定期的な鍼灸を続けると、ホルモン周期が安定し、

「生理前のつらさの波が小さくなる」

という方が多いです。

症状を軽くするためには、毎日の生活でできる対策がとても重要です。

① 体を冷やさない

　・お腹・腰を温める

　・冷たい飲み物を控える

　・湯船に10〜15分

血流が良くなるだけで腹痛や腰痛がぐっと楽になります。

② 軽い運動（おすすめは“ゆるウォーキング”）

激しい運動より、20〜30分のウォーキングが効果的。

自律神経が整い、むくみ改善にも◎

③ カフェインを控える

コーヒー・紅茶は交感神経を刺激しやすく、

イライラ・胸の張り・頭痛が悪化することがあります。

④ 睡眠をしっかり取る

寝不足はPMS症状を一気に強くする原因に。

寝る前のスマホ控えめで“副交感神経スイッチ”を意識。

⑤ お腹のセルフお灸（生理前1週間がおすすめ）

　・気海

　・関元

　・三陰交
このあたりを軽く温めるだけでも、冷えやむくみが改善しやすいです。